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2024年4月12日 (金)

映画「愛と哀しみのボレロ」を見てきました

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3月に古い映画をリバイバル上映する午前十時の映画祭でやっている「愛と哀しみのボレロ」を観に行ってきました。

この映画はむか〜しテレビでやっていたのを録画して観たことがありますが、最後のボレロの踊りは印象的なのですが、ストーリーはとっても難解です。

3時間を超える長い映画なので、ビデオだと見るのが細切れになってしまったり、最後のボレロのシーンだけを観たりということが多かったのですが、今回、改めて映画館で集中して観ることで、ようやく全貌が理解できたように思えます。

 

ストーリーがわかりにくいのは、ソ連、ドイツ、フランス、アメリカといった国の人たちの物語が断片的に切り替わりながら物語が進行するためで、さらに親と子を同じ俳優が演じていることが、混乱に拍車をかけています。

 

細切れで進むストーリーを、まとめてみるとこんな感じです。

 

ソ連では、バレエ団でプリマドンナのオーディションが行われています。

2人のバレリーナが審査員たちの前でボレロを踊っています。

プリマドンナの座を逃したバレリーナ タチアナは、やがて審査員だった男と結婚し息子セルゲイを産みます。

しかし第二次大戦が勃発し、徴兵された夫は戦死してしまいます。

戦後、タチアナは女手一つで息子セルゲイ育て上げ、彼は国際的なバレエダンサーとして成功します。

セルゲイはパリ公演を行い好評を博しますが、帰国直前にフランスに亡命します。(ルドルフ・ヌレエフという方がモデルのようです)

 

フランス パリでは、ショーサロンで演奏しているユダヤ人のバイオリニストの女性アンヌとピアニストの男性シモンが恋に落ち結婚します。

しかし、ドイツ軍のパリ占領により、アンヌとシモン、生まれたばかりの赤ちゃんは収容所へ送られます。

収容所へ向かう護送列車の中、停車した駅で赤ちゃんだけでも助けようと一縷の望みをかけて、赤ちゃんを線路に降ろします。

護送列車は出発し、無人となった駅の線路で赤ちゃんは泣いています。

自転車で通りかかった男が、赤ちゃんを見つけますが、一緒に包まれていたお金と宝石だけを取り、赤ちゃんは駅から遠く離れた教会の前に置いて去っていきました。

戦後、アンヌは収容所から解放されますが、夫のシモンは収容所で処刑されていたことを知ります。

アンヌはその後 赤ちゃんを降ろした駅をたびたび訪れて赤ちゃんの消息を探し続けますが、手がかりを得られることはありませんでした。

 

ドイツでは、音楽家カール(カラヤンがモデルのようです)がヒトラーの前でピアノを演奏して好評を博します。

やがてドイツが戦争状態に入ると、軍楽隊の隊長としてパリに赴任します。

凱旋門前で演奏していると、彼に興味を持ったフランス人女性エブリーヌが連絡先を書いた紙を彼の懐に入れてきます。 

彼女はバーのシャンソン歌手で、店へやってきたカールを甘い歌声で誘惑します。

カールは国元に妻子がいるにもかかわらず、彼女と不倫関係になります。

 

アメリカでは、人気の音楽家グレン(グレン・ミラーがモデルのようです)が、演奏のラジオ中継の中で娘サラが生まれたことを喜び、家族へ語りかけています。

そんな中、ポーランド侵攻したドイツに対し、フランス・イギリスが宣戦布告したというニュースが飛び込んできます。

やがてアメリカも参戦しますが、グレンは軍楽隊の指揮者としてアメリカ軍に入ります。

連合軍のパリ解放の際には、パリの路上で演奏し、解放されたパリ市民たちが踊っています。

その中に、アメリカ兵と一緒に踊るフランス人女性。

この女性は、ドイツ人音楽家カールと不倫関係にあった歌手のエブリーヌです。

その様子を苦々しく見ている女性たち・・・

アメリカ兵と踊っているエブリーヌを捕え、連れて行ってしまいます。

エブリーヌは丸坊主にされ、「ドイツ兵と寝てアメリカ兵と踊る女」という看板を背負わされ、引きまわされてしまいます。

彼女はカールとの間にできた赤ちゃんと共に、実家に帰りますが、迎えにきた両親も冷たい態度です。

ドイツ人と懇意になったフランス人は同国人から許されることはなく、彼女は一週間後に自殺してしまいます。

 

そして(突然) 20年後・・・

自殺したフランス人女性エブリーヌの赤ちゃんエディットは美しく成人し(母親と同じ女優さんなので混乱します) 、祖父母に見送られてパリ行きの列車に乗ります。

彼女が座ったコンパートメントには、アルジェリア紛争帰りの兵士たちが乗っており、美しい彼女は彼らにちょっかいを出されます。

その兵士の一人が、護送列車から脱出させられ教会に育てられたユダヤ人の赤ちゃんが成長した姿だったりします。(これも父親と同じ俳優さん)

エディットはダンサーを目指しますが挫折し、やがてテレビのアナウンサーとなります。

 

一方、護送列車から救われたユダヤ人の男性ロベールは弁護士として成功します。

ある日テレビ放送でアナウンサーのエディットを見て、「どこかで見たことがある」と呟きます。

その後、どういう経緯かよくわかりませんが、二人は食事をする機会があり、アルジェリア紛争帰りに列車の中で会ったことを思い出し、不倫関係に落ちます。

 

ドイツ人の音楽家のカールは、敗戦により連合軍の捕虜となり、やがてベルリンへ帰ります。

爆撃により廃墟と化したベルリンで妻と再会しますが、息子は亡くなっていました。

その後、カールはオーケストラの指揮者となり、ニューヨークでコンサートを行います。

ところがチケットは完売となっているにもかかわらず、聴衆は二人(音楽雑誌の記者)のみ という状況となります。

これは、ユダヤ人によるドイツ人への嫌がらせでした。

そのような状況でも、オーケストラを指揮して演奏を行います。

歯を食いしばりながら見事に演奏を終えますが、直後に天井からたくさんの紙がひらひらと落ちてきます。

雑誌記者が拾い上げて見ると、それはヒトラーと一緒に写るカールの写真でした。

 

 

アメリカではグレンの娘サラ(エディット・ピアフという方がモデル 母親と同じ女優さんが演じてます・・・女優さんはチャップリンの娘さんです)はジャズシンガーとして成功しますが、酒に溺れた生活をしています。

彼女の兄(父親と同じ俳優さん)が、マネージャーとなっており、お店の客の入りが悪く、経営状況が悪いことを憂えています。

そんな彼女と一緒にデュエットする歌手のオーディションを実施します。

そして相手役に選ばれたのは、若い美青年パトリック

彼はあのユダヤ人弁護士ロベールの息子です。

 

ユダヤ人の弁護士ロベールは本を出版しますが、その本の著者近影を、彼の母親アンヌの音楽仲間が見つけ、父親シモンにそっくりなその姿から、護送列車から逃がした赤ちゃんが彼だと確信し、ロベールに母親のことを伝えます。

ロベールは手を尽くして捜索しますが、手がかりを得られません。

諦めかけますが最後に「精神病院は?」と捜索を依頼したことで、ついに母親の所在を突き止めます。

彼は母親に会いに行きますが、アンヌは彼を認知することもできない状態になっています。

・・・このシーンからボレロの曲が静かに始まります。

 

 

 

ユニセフのチャリティーコンサートの企画が始まり、ユニセフの担当者があちこちにコンサートへの出演の依頼に出向いて行きます。

 

広報役としてテレビで告知するのは、ドイツ人音楽家カールと不倫関係となったフランス人女性エブリーヌの落とし子の女性アナウンサー エディット

 

オーケストラを指揮するのは、その父親であるドイツ人音楽家カール

 

コーラスとして参加するのはアメリカ人音楽家グレンの娘サラと、強制収容所への護送列車から逃がされた赤ちゃんだったユダヤ人弁護士ロベールの息子パトリック

 

観客席には、パトリック父親ロベールと、長年息子を探し続けて、ついに精神を病んでしまったアンヌ

 

そしてちゃぶ台の上で踊るのは、亡命したソ連人のバレエダンサー セルゲイ

この人の娘役が、これまた母親と同じ女優さんなのよ ・・・ そしてこのコンサートのテレビ中継を、同じ顔をした母親タチアナが見ているという^^;

 

このような物語が断片的に切り替わりながら進んでいくため本当にわかりづらいですが、バラバラに進行してきた人々の物語が、最後にようやくここでパッチワークのように一体となってまとまり、ボレロの踊りのシーンへと繋がってきます。

ボレロは静かに始まり、AメロとBメロと呼ばれる2つのメロディが楽器を変えながら繰り返され、徐々に盛り上がっていきます。

カール指揮による演奏で踊るセルゲイ。

途中からサラとパトリックによるコーラスが加わり圧巻です❕

 

 

 

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